AVR-X550BT VS HEOS HomeCinema、あなたならどっち?
デノンからAVR-X550BTが発表されました。編集部ではデノンAVアンプ史上最もお求めやすい価格のAVR-X550BTと、サウンドバーHEOS HomeCinemaを様々な点を比較検討!あなたならどっち?
デノンから、AVレシーバーの新たなエントリーモデルAVR-X550BTが発売されました。
5.2ch AVサラウンドレシーバー
AVR-X550BT
希望小売価格:35,000 円(税抜) [発売中]
製品の詳細はこちらをご覧ください。
AVR-X550BTは希望小売価格3万5000円という、デノンの国内AVアンプの中でもっともお求めやすいエントリーモデルとなりました。
AVR-X550BTであれば、ステレオスピーカーとフロントスピーカー、そしてサブウーハーを加えた3.1ch システムをすべて新しく買い揃えても恐らく9万円前半程度。
そうなると、先日デノンオフィシャルブログで開発者インタビューを行ったHEOSの新しいサウンドバー、HEOS HomeCinemaとほぼ同じぐらいの価格と言えそうです。
ではそれぞれのモデルを実際に使ってみて、音や使い勝手、デザインなどはどうなのかを編集部で確かめてみよう、というのが今回の企画「AVR-X550BT VS HEOS HomeCinema」です。
まずはHEOS HomeCinemaを使ってみた
ワイヤレスTV サウンドシステム
HEOS HomeCinema
オープン価格
先にHEOS HomeCinemaを使ってみました。
まずはセッティングですが、一体型サウンドバーだけあって、HDMIケーブル1本でテレビとつなぐだけの簡単さ。あっというまに終わりました。
設置も簡単でテレビの前にバーを置くだけ。さすが一体型、設置も設定も実にシンプルです。
サブウーハーにいたっては、電源を入れるだけで、自動的にワイヤレスでペアリングされます(サウンドバーの電源が入っている状態にしておいてください)。
今回の試聴で使用したラックは朝日木材加工株式会社のAVラックAS-EE1200。
ちょうどHEOS HomeCinemaのサウンドバーが入るものだったので、ラックに入れてみました。
するどどうでしょうか、このシンプルさ。スピーカーの存在感が消え、一見するとテレビが置いてあるだけにしか見えません。
煩わしいケーブルもまったく見えないので、とてもすっきりとまとまります。
さらにHEOS HomeCinemaのサブウーハーもBluetoothで無線接続でき、しかも横置きできるということで、このように棚などの目立たないところに置くことができます。
そして肝心の音ですが、前回の開発者インタビューでも聴きましたが、このサイズで鳴っているとは思えない迫力のあるサウンドです。
初めて聴いた方なら、どこに大きなスピーカーがあるのだろう、と周りを見回してしまうのではないでしょうか。
またHEOS HomeCinemaの操作はおもにスマホやタブレットのアプリから行いますが、シンプルなGUIでわかりやすく操作することができます。
HEOS HomeCinemaのもう一つの魅力は、その名のとおりHEOS機能です。
HEOSアプリをインストールしたスマホやタブレットで、AWA、Spotify、Prime MusicやNASからのストリーミングを楽しんだり、他のHEOSスピーカーと組み合わせて、複数のスピーカーで同じ音楽を同時に流すことができる同期再生が楽しめます。
シンプルでスタイリッシュな存在感と、想像を超える音質、そして多彩なHEOS機能を装備したHEOS HomeCinemaは、単なるサウンドバーではなくリビングの中心となる存在なんだな、と感じました。
そしてAVR-X550BTを聴いてみた。
では次に、デノンAVレシーバーのニューカマーにして、最もお求めやすいエントリーモデルであるAVR-X550BTを使ってみました。
エントリーモデルとはいえ、5.2chのスピーカー構成に対応するAVR-X550BTですが、今回はHEOS HomeCinemaとの聴き比べということでリアスピーカーはあえて使用せず、フロントでの3.1chでのセッティングとしました。
ステレオスピーカーにはスリムデザインのトールボーイスピーカーSC-T17を、センタースピーカーにはSC-C17、サブウーハーにはDSW-37を用意しました。
トールボーイスピーカー(1台売り)
SC-T17
希望小売価格:25,625 円(税抜)
センタースピーカー(1台売り)
SC-C17
希望小売価格:12,500 円(税抜)
サブウーハー
DSW-37
希望小売価格:32,500 円(税抜)
これらを組み合わせると、下の写真のような立派なシステムになります。
左右のスピーカーがSC-T17、テレビの下にあるセンタースピーカーがSC- C17、右端にあるのがサブウーハーのDSW-37です。
AVR-X550BTのシステムのスピーカーセットアップですが、ここは残念ながら、HEOS HomeCinemaのようにケーブル一本をつなぐのではなく、スピーカーを一本ずつAVR-X550BTと接続する必要があります。
とはいえ、そんなに大変な作業ではありませんし、しかも設置する時だけのことでもありますのであまり気になりません。
こちらがAVR-X550BTのリアパネルです。
下にある5つの端子がスピーカーと接続する端子ですが、それぞれお色分けされていることもあり、迷うことなく簡単にどんどんつないでいくことができます。
しかもスピーカーの接続や設定はこのように大きなテレビ画面に接続手順がわかりやすく画面表示されるので、取扱説明書を片手に端子を見比べる、という苦労をすることなく設定できます。
さて、接続ができたところで、実際に音を聞いてみました。
やはり一体型スピーカーとはひと味違う、本格的なデノンのAVアンプのサウンドで、超エントリーともいえる価格帯でありながら、しっかりとAVRシリーズのサウンドを継承していると感じさせられます。
デノンAVRの正統的なサウンドで映像ソフトや音楽ソフトをじっくり堪能できました。
AVR-X550BTはエントリーモデルと言うこともあり機能は絞られていますが、Bluetoothに対応しています。
ですからスマホやタブレットを気軽にワイヤレス接続して、スマホなどの入っている音楽をAVアンプのシステムで再生することができます。
そこでさっそくiPhoneに入っている音源を再生してみました。
これも、エントリーモデルとは思えないグレードの高い音質で、ちょっと驚きました。
HEOS機能のような高度なネットワーク機能は持っていませんが、スマホなどの音楽を聴くのに使うには便利だなと感じました。
9万円台で一体型かAVアンプかを選べる時代になった!
というわけでHEOS HomeCinemaとAVR-X550BT比較をしてきましたが、いかがだったでしょうか。
最後に簡単にまとめてみるとHEOS HomeCinemaは、やはり設定のシンプルさ、アプリベースの使い勝手の良さ、そしてインテリアにマッチするデザイン性が魅力です。
リビングのテレビの前に置いて、家族みんなが楽しく使いたい、みんなのスマホやタブレットをWi-FiにつないでHEOS機能を楽しみたい、といった使い方に最適でしょう。
一方のAVR-X550BTは超エントリーモデルとはいえ、デノンのAVレシーバーの技術が詰まった本格的なモデルであって、リーズナブルな価格ながら音への妥協は一切感じられないモデルです。
一つ一つのスピーカーをどこに置くのか、サブウーハーはどう設置するのかなどで音場感や音質は変わりますし、将来的にはスピーカーを増設し、サラウンドをより楽しむなどといったステップアップしていく楽しみ方が堪能できるのも、オーディオらしいところではないでしょうか。
システムトータルで9万円台という価格帯は、今まではAVアンプを中心とした3.1chなどのサウンドシステムを構築するのが難しかったというのが正直なところですが、AVR-X550BTの登場で、サウンドバーと比較して選べるようになったことはオーディオファンとしては嬉しいことではないでしょうか。
私も正直言って、どっちにするかは迷います……。読者のみなさんならどちらを選びますか?
(Denon Official Blog 編集部 I)